【トピックス】積み方で変わる!?青果物の鮮度―科学的データに基づく青果物輸送マニュアルを開発

2026.07.22 トピックス

 野菜や果物は、輸送中の温度や湿度、そして荷台のどこに置くかによって、傷みやすさが大きく変わります。しかし実際の現場では、積み方は経験に頼ることが多く、科学的な基準は十分に整っていませんでした。

 九州大学を中心とする研究グループは、農林水産省が実施するBRiDGE事業(研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム)の一環として、トラックや鉄道、船舶による輸送中に温度・湿度・振動を実際に測定し、その環境が品質に与える影響を詳しく調べました。その結果、同じ条件で運んでいても、荷台内の位置によって品質の低下に大きな差が生じることを明らかにしました。
 さらに本研究では、輸送中の乾燥のしやすさと、作物ごとの水分の失いやすさを組み合わせることで、品質低下を予測する手法を構築しました。これにより、傷みやすい青果物は影響の少ない位置へ、比較的強いものは別の位置へ配置するなど、合理的な積載設計が可能になります。
 これらの知見は、誰でも現場で活用できるように「品質リスクマップ」として整理し、積載方法のマニュアルとしてまとめました。 現場の方が簡単に判断できるよう、積載位置ごとのリスクや、品目ごとの配置の考え方を分かりやすく示しています。
また海外輸送の実証では、積み方の違いだけで商品としての価値を維持できるかどうかが変わることも確認されました。

本研究成果は、特別な設備を必要とせず、すぐに実践できる点が特徴です。
輸送に関わる皆様には、ぜひ本マニュアルを活用し、積載方法の改善による食品ロス削減と品質向上につなげていただきたいと考えています。


品質リスクマップを活用した青果物輸送の最適積載と品質保持

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トラック・鉄道・船舶輸送時の温度、湿度、振動データをもとにコンテナ内の品質リスクを可視化し、青果物ごとに最適な積載位置を提案する概念図。品質リスクマップを活用することで、鮮度低下や食品ロスを抑えながら、輸送中の品質保持が可能となる。


お問合せ先または詳細

田中 史彦 教授
田中 良奈 准教授

青果物輸送における品質低下を低減するための積載マニュアル