【トピックス】田中 史彦 教授らのAI・デジタルツイン研究が農林水産省事業に採択されました

2026.10.21 トピックス

九州大学大学院農学研究院の田中 史彦 教授を研究代表者とする研究課題「AI・デジタルツインによる貯蔵庫の精密制御と積付最適化による品質保持の高度化」が、このたび農林水産省令和7年度補正予算「スマート農業技術の開発・供給に関する事業 第二回公募」のうち、「重点課題対応型研究開発(民間事業者対応型)」に採択されました。


農林水産省「スマート農業技術の開発・供給に関する事業」について

本事業は、農業現場が抱える重要課題の解決に向けて、大学や研究機関、民間企業等が連携し、スマート農業技術の研究開発から社会実装までを一体的に推進する事業です。研究成果の早期普及を通じて、農業の生産性向上や持続可能な農業の実現を目指しています。


研究内容

本研究では、カキの貯蔵・出荷工程において発生する品質劣化やフードロスの削減を目指します。
現在、カキの貯蔵・出荷工程では、貯蔵庫内の温度や湿度のばらつき、積付方法の違いなどによって品質低下や廃棄が発生しており、生産現場の大きな課題となっています。

本研究では、本学を中心に、福岡県農林業総合試験場、熊本県農業研究センター、株式会社インフォコーパス、板倉冷機工業株式会社、公益財団法人流通経済研究所などが連携し、貯蔵環境を仮想空間上で再現する「デジタルツイン技術」と、品質予測データを活用した「AI積付最適化技術」を開発します。

さらに、農業データ連携基盤「WAGRI」等との連携により、品質予測、貯蔵管理、出荷支援を一体化したスマート流通システムの構築を進めます。これにより、品質保持期間の延長、作業の省力化、フードロス削減および産地収益の向上を目指します。


研究開発について

本研究は令和8年度から令和10年度までの最大3年間にわたり実施され、最大3億5,000万円の研究費により推進されます。

研究期間中は、実際の貯蔵施設や出荷現場で実証試験を行い、カキを中心とした青果物の品質保持技術の有効性を検証します。また、本技術はナシや柑橘類など他の青果物への展開も視野に入れており、将来的には全国の果樹産地への普及を目指します。

本学は、本研究を通じて収穫後工程のDXを推進し、持続可能な農業・食品流通システムの実現に貢献してまいります。

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図 AI・デジタルツインで実現するスマート貯蔵・出荷システム

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