農学部関連研究室・関連施設

附属組織一覧

農学部附属農場

附属農場は伊都キャンパス農場、篠栗農場、高原農業実験実習場の3つのキャンパスからなり、学部学生に対して農学理論にもとづく生産技術について体験的な実習教育を 行っています。さらに広いフィールドを活かして、作物・農業機械・園芸・畜産に関する基礎から応用までの幅広い研究を行うとともに、環境保全型農業や物質 循環型農業の発展を目指して、先端情報技術を用いた実践的な研究も進めています。

農学部附属演習林

附属演習林は、福岡演習林(篠栗町・久山町、464ha)、宮崎演習林(椎葉村、2,916ha)、北海道演習林(足寄町、3,713ha)の3つの演習林で構成されています。日本列島の主要な植生帯である暖温帯、中間温帯、冷温帯をカバーするとともにスギ、ヒノキ、カラマツなどの国内主要樹種による人工林を育成しています。森林科学分野はもとより、生物科学、環境科学等の諸分野の教育研究の場として広く利用されるとともに小中高生、一般市民等の森林・環境教育にも利用されています。さらに、各演習林の所在地域との様々な連携事業も行われています。

生物資源環境科学府附属水産実験所

水産実験所は、昭和19年に農学部附属施設として設置された臨海研究施設であり、福岡市の北約25kmの玄界灘に面する福津市津屋崎の海浜部にあります。海水飼育設備、各種実験室、宿泊施設、調査艇などを有し、学内外からの実験所を利用した水生生物や水圏フィールドを対象とした研究、教育および調査活動を支援しています。また、水産科学分野に属するアクアフィールド科学講座が置かれ、学部生・大学院生の教育と専任教員による独自の研究・教育活動を行っています。

農学研究院附属生物的防除研究施設

生物的防除研究施設は、天敵(益虫と有用微生物)を利用して害虫を防除する、いわゆる生物的防除を専門に教育研究を行っている、アジアで唯一の機関として 知られています。生物的防除は自然の法則を利用して害虫を防除するので、生物種および環境保全に最適な方法の一つとして、近年特に注目されています。

農学研究院附属遺伝子資源開発研究センター

遺伝子資源は、学術研究上はもちろん、農・医・薬・工業など産業利用と共に地球環境の保全のためにも重要な国家的・世界的財産です。遺伝子資源開発研究セ ンターでは、九州大学農学部が世界的に特色ある研究を推進してきたカイコ、イネ及び産業上重要な発酵微生物について、遺伝子資源を安定的に維持・保存する ことや、優れた形質を持つ遺伝子資源を新たに開発し、遺伝子操作などを用いて改良し、さらに有効に活用するための研究を行っています。

農学研究院附属国際農業教育・研究推進センター

農学研究院附属国際農業教育・研究推進センター(cPIER)は、他の教員や国際推進室と連携し、様々な国際プログラムを通じて農学部の研究・教育活動を支援しています。cPIERの教員は研究グループを持ち、経済学・分子細胞生物学・数理モデリングなど様々な分野にわたって、それぞれの領域で広範な研究を積極的に行っています。  cPIERは、英語で学ぶ日本人学生や留学生を対象とした農学部国際学部プログラム(IUP)を推進し、教えています。さらに、cPIERの教員は、生物資源・バイオ環境研究科の国際大学院プログラム(IGP)の調整と推進にも貢献しています。cPIERはまた、学部・大学院レベルのダブル・ディグリープログラムや短期留学プログラムなど、多くの国際教育プログラムの新規開発・実施と運営にも携わっています。

農学研究院附属イノベーティブバイオアーキテクチャーセンター

イノベーティブ・バイオアーキテクチャーセンター(iBAC)は、 平成26年度までに活動した九州大学バイオアーキテクチャーセンター(KBAC)における成果を基盤として、バイオマスの階層構造を生かしたナノからの産業素材・エネルギーデザイン(産業素材マテリアル・エネルギーデザイン:工学との境界融合領域への展開)、ならびに代謝物プロファイル変動から「健康の質」低下を予測・予防する代謝デザイン(ポジティブヘルスデザイン:医学・薬学との境界融合領域への展開)の研究を追求するために、2015年4月から新たに発足した農学研究院に所属する研究所です。バイオマテリアルとメタボリックシステムの2つの部門からなり、農学研究院の関連施設および生物資源環境科学府(大学院博士課程、修士課程)と連携しながら、教育および研究を行っています。

農学研究院附属昆虫科学・新産業創生研究センター

昆虫科学・新産業創生研究センターは、九州大学の昆虫科学を統合し、新たな「知」の創造により、現代社会が抱える生物多様性の喪失や昆虫媒介感染症の拡大に向き合うべく平成30年4月に開設されました。特に、現代社会が抱える、昆虫に関する3つの大きな問題として、 •地球規模の生物多様性の喪失に、科学的な根拠を基盤に対応できる学術基盤の欠如 •新興感染症を含む昆虫媒介感染症に取り組む人材、教育システムの枯渇 •大学発の独創的な昆虫技術シーズの効率的な産業化・社会還元システムの不備 を解決すべく、本センターに、「昆虫分類」、「環境・衛生昆虫学」、「新産業創生」の3ユニットを設置しました。  これらの研究を基盤として、生物多様性の根幹を成す昆虫の分類学の高度化と異分野融合による複合化を推進し、地球生態系の構造と機能を包括的に理解し、その一員としての人類の幸福に貢献できる世界的な研究教育拠点の構築を目的としています。

農学研究院附属アクアバイオリソース創出センター

良質の動物性タンパク質の供給源としての魚類養殖業は成長産業であり、その魚類養殖業を成功に導くキーワードが「完全養殖」「ゲノム育種」「新餌料」「低環境負加」であります。九州大学農学研究院に新たに創設されたアクアバイオリソース創出センター(Aqua-Bioresource Innovation Center, ABRIC)では、これらのキーワードを九州大学が有する革新的研究リソースに基づき克服し、それらをベストミックスすることで、基礎研究・技術開発から社会実装・流通までを包括した、新しい魚類養殖産業を創出し、地域および我が国の養殖産業の振興ならびにタンパク質供給の安全保障に貢献することを目的としています。農学研究院を含む学内3部局(農学研究院、工学研究院、経済学研究院)ならびに3学内共同教育研究センター(植物フロンティア研究センター、水素エネルギー国際研究センター、五感応用デバイス研究開発センター)の教員が参画しており、佐賀県唐津市にはABRIC唐津サテライトが主要な研究施設として設置されました。 本センターには、創出、基盤、制御、開拓、実装の5ユニットが設置され、時勢に応じた機動力を発揮するために、ユニットを超えた研究開発クラスターを適宜構築し、プロジェクトベースで事業を推進します。

研究教育支援センター

 研究教育支援センターは、本院が管理する研究機器、研究施設及び遺伝子資源に関わる研究教育支援体制の効率化・高度化を実現すること、並びに研究教育水準の向上を図ることを目的とし、研究機器の維持、管理及び運用、研究施設の運用支援、遺伝子資源の維持、管理及び運用等の業務を行っています。

農学部附属彦山生物学実験施設

英彦山は、福岡県と大分県との県境近く(福岡県田川郡添田町)に位置する標高約1,200mの山塊で、かつて山伏たちが修行を行った場所として知られており、最近では平成29年2月に国の史跡指定を受けました。一方で英彦山には福岡県内では貴重なブナ林が広がった自然が残されており、古くから昆虫の研究が行われるなど、生物多様性にとっても重要な地域となっています。
彦山生物学実験施設は、1936年10月に九州大学附属彦山生物学実験所として、標高約670mの自然豊かな環境内に開設されました。それ以来、約90年間の歴史の中で、英彦山に生息する生物の研究に寄与し、九州大学のスタッフや学生、外部からの訪問者によって多くの研究成果があげられるとともに、貴重な標本類が蓄積されています。
主な資料として、昆虫類約30万点、ほ乳類・鳥類はく製標本約280点、は虫類・両生類・魚類液浸標本約180点、貝類等標本約900点が収蔵されており、その一部は標本陳列室に常設展示されています。
また、英彦山には多くの自然林が残されているうえ、彦山生物学実験施設で宿泊しながら長期間の調査が可能であることから、英彦山で採集された標本に基づいて50種類以上の昆虫が、新種として発表されています。

関連組織一覧

実験生物環境制御センター

実験生物環境制御センターは、温度、湿度、光条件などを人為的に設定可能な実験室を生物学関連分野に提供している学内共同教育センターであり、遺伝子組換え実験や植物防疫法に対応した高度な実験環境を備えています。大学院教育に参画しており、生物と環境の相互作用について専門的な知識を有する人材の育成を行なっています。

熱帯農学研究センター

熱帯農学研究センターは、1975年に創設された学内共同教育研究施設で、熱帯における生物資源(昆虫、作物、園芸植物)の保全、森林と土壌及び水環境の保全、さらに、熱帯農業やこれに関連する環境の基礎的研究を行うとともに、大学院教育(修士・博士後期課程)も生物資源環境科学府、地球社会統合科学府でそれぞれ担当しています。さらに開発途上国を対象にした国際協力も行っています。

有体物管理センター

有体物管理センターは、研究成果として創作または取得された有体物(著作物は除く)の移転に伴う契約管理、有効活用及び移転に関する実務及び研究を行うため、2010年4月に改組されました。当センターは、ウェブサイトを活用した学内成果有体物の契約管理のみならず、積極的な成果有体物の学外への移転支援、国内法法令遵守の支援も行っています。  加えて、生物多様性条約/名古屋議定書、食糧及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約等の国際条約及び提供国内法に基づいた、成果有体物の移転に関するシステムや適用される規則についての手続きについても調査研究・実務を行っています。

植物フロンティア研究センター

植物フロンティア研究センターは、今世紀最大の課題である食糧・環境問題への貢献を目的とした植物科学の総合研究開発・実証拠点として、平成30年に設置された学内共同利用施設です。  5つの部門で構成され、植物、特に穀物であるイネに関わる基礎研究、品種改良、栽培環境制御、流通経済、国際展開に関する総合的な研究とその応用展開を推進しています。