研究室紹介

植物栄養生理学

地球上の生命全体を支える植物の同化

植物は、人間の食糧となる有機物を環境中の無機物から作り出します。この「同化能」によって独立栄養生物として存在することができます。植物が独自に作り出す代謝物には、医薬やサプリメントとしても有用なものが多くあります。私たちは、植物の保つ同化や代謝の仕組みを研究することで、新たな代謝調節の仕組みの発見や植物の能力をより豊かな社会へと応用することに挑戦しています。

教授: 丸山 明子
准教授:
助教:

研究テーマ

(1)硫黄の同化と代謝の仕組み
(2)硫酸イオン吸収の調節機構
(3)メチオニン由来グルコシノレートの生合成・代謝の調節機構
(4)硫黄同化系を調節する新たな分子機構
(5)他元素の分布や代謝に硫黄代謝が果たす役割
(6)各種ストレス応答への硫黄代謝の貢献
(7)有用含硫化合物を高蓄積する・硫黄同化効率の高い植物の作出
(8)硫黄同化・代謝を調節する化合物や環境条件の探索

私たちは必須元素の中でも特に硫黄(S)に焦点をあてています。
植物は、人間にとっても必要なアミノ酸であるシステインやメチオニンを、環境中の硫酸イオンから作り出します。
無機の硫黄は酸性化をもたらしますが、植物は硫黄を還元・同化することで自然界の硫黄サイクルに大きな役割を果たしています。
植物が作り出す含硫化合物には、アミノ酸やタンパク質の他、酸化還元物質、補酵素や医薬として有用なものが多くあります。
近年では、アブラナ科植物に多く含まれるメチオニン由来グルコシノレートの発ガン抑制効果が注目されています。植物体内で硫黄の同化・代謝がどのように調節されているのかを理解できれば、作物生産性の向上、食を通した人間の健康増進、環境問題の解決に向けた手がかりになると考えています。

研究キーワード

アブラナ科植物タンパク質代謝健康同化栄養植物植物の必須元素特化代謝環境生合成生命硫黄代謝輸送酵素