研究室紹介

天敵微生物学

天敵微生物学研究分野では、天敵としての昆虫病原微生物を利用した害虫の生物的防除を目的として、それら天敵微生物に関する基礎及び応用研究を展開しています。また一方で、益虫保護のための昆虫病原微生物に関する基礎研究も行っています。

教授: 青木 智佐
准教授:
助教: 西 大海

研究テーマ

(1)昆虫病原微生物の探索・同定と感染増殖・生活環等の解明:自然環境や飼育環境で発生した罹病昆虫、また土壌・植物体上等から昆虫病原微生物を分離し、形態学、生態学、生理学的情報やDNA情報に基づく分子系統解析により、その病原微生物の分類学的所属を明らかにしています。
(2)害虫に対して高い防除効果を有する天敵微生物の選抜と利用:昆虫病原微生物においては、同種の菌株間で病原力や環境ストレス耐性に多様な変異があることが認められています。それらを考慮してより高い防除効果を示す菌株を選抜し、害虫防除に応用する研究を行っています。
(3)昆虫の病原微生物感染に対する生体防御機構の解明:カイコ等の益虫の感染症を防ぐことを目的として、病原微生物に対する宿主の生体防御メカニズム、宿主-病原体相互作用についての研究を行っています

昆虫も私たちと同じように微生物の感染により病気になります。昆虫に病気を起こすこれらの微生物は、人畜をはじめとする動物や植物には無害です。そこで、農作物・森林害虫を防除するために、これらの微生物が利用されています。害虫にとっての天敵となるこれら病原微生物は“天敵微生物”と呼ばれます。一般に、害虫防除には化学殺虫剤が用いられていますが、天敵微生物を利用した微生物的防除法は環境負荷が小さく、生態系を攪乱しないものとして注目されています。天敵微生物学研究分野では、昆虫病原微生物及び害虫防除のための天敵微生物に関する基礎及び応用研究を展開しています。

研究キーワード

微生物昆虫環境生命生態系生物保護生物資源農業