【トピックス】高大連携事業「九州大学農学系研究施設体験学習」を実施しました。

2025.04.16 トピックス

九大だからこそできる体験に糸島農業高校の生徒・教員が多数参加


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参加した糸島農業高校の生徒

令和7年3月7日(金)、熱帯農学研究センターおよび実験生物環境制御センターを主催として「九州大学農学系研究施設体験学習」を実施しました。このイベントは高大連携事業の一環として実施しており、今回は福岡県立糸島農業高等学校(以下、糸島農業高校)の生徒17名・教員3名が参加。伊都キャンパスで両センター教員による講義・演習、ならびに施設見学を行いました。

糸島農業高校は、福岡県内にある3つの農業高校の一つです。農業が盛んな糸島地区にあり、農業を専門的に学び、地域における未来の農畜・食品産業を担う人材を多く輩出しています。

九州大学では、教育学部と農学部が連携した農業科に関する教職科目を開講しており、特定の単位を満たすことで、「高等学校教員免許状(農業)」を取得することができます。この教職科目のため、糸島農業高校と連携を深める中で、今回の高大連携イベントが実現しました。


九州大学の授業を体験した午前の部

午前の部では、熱帯農学研究センター国際開発部門の百村 帝彦 教授、ならびに熱帯作物・環境部門の濱岡 範光 准教授が講義・演習を行いました。百村教授による講義では、「熱帯農学研究センターの教育・研究・国際協力」について紹介があった後、「熱帯農村部の人々の暮らし」に関するワークショップ形式の演習を実施。生徒の皆さんが積極的に意見を出し、自分とは異なる考え方や価値観に触れることができる有意義な時間となりました。

次に、濱岡准教授の講義では、「熱帯農業の国際共創に向けた研究ビジョン」について、身近な農地に関する話題から、熱帯農業の課題や国際共同研究のトピックについて紹介しました。講義の後に、熱帯農学研究センターの実験室等を見学。その規模の大きさに、驚く生徒も多々見受けられました。

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開会の様子
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講義の様子 (百村教授)
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講義の様子 (濱岡准教授)

体験・見学を行った午後の部

午後の部では、伊都植物圃場施設の見学を行った後、実験生物環境制御センター吉田 敏 教授の講義・演習が行われました。まず同センターにおける先端の環境制御施設を見学しながら、「生物学における生物環境調節の意義」について、身近な話題から概説。次に、「実験用施設で育つ葉菜に触れる」体験実習を行い、植物工場の基盤技術を学ぶため、人工光で養液栽培したレタスの収穫体験が行われました。

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伊都植物圃場施設の見学
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講義の様子 (吉田教授)
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人工光で養液栽培された葉菜の収穫体験

講義や見学を体験した生徒からは、『楽しく授業を受けられた』 『大学の授業だから難しいだろうと予想していたが、とてもわかりやすかった』と好評でした。また活発な質問・意見が多く、大学での農学研究への取り組みに関する興味関心の高さが伺えました。本体験学習後のアンケートでは、『大学での農業に関する研究について知れたこと、先端の研究施設を見学できたことなど、今回の事業が大変貴重な機会になった』と感想が寄せられました。また、循環型農業の推進、プラズマの農業利用、植物工場の仕組みなど、先端の農業技術についても、強い関心を持っていることが伺えました。

今後も九州大学では、高校生の視野を広げ、一人一人の能力を伸ばすことができる高大連携事業を行って参ります。


問い合わせ先

濱岡 範光 准教授
Mail:nohamaoka★agr.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。