【トピックス】小山 彰彦 助教が応用生態工学会 研究奨励賞を受賞されました。

2024.10.04 トピックス
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第1回 廣瀬賞 研究奨励賞 授賞式 小山 彰彦 助教(右)

九州大学大学院農学研究院 小山 彰彦 助教が第1回応用生態工学会 研究奨励賞を受賞しました。


応用生態工学会 研究奨励賞

廣瀬賞は、応用生態工学会の元会長の故廣瀬利雄氏の遺志である応用生態工学の発展を実現するために設けられました。廣瀬賞、研究奨励賞および社会実践賞の3部門となっています。
研究奨励賞は、応用生態工学において今後優れた研究展開が期待できる研究者に授与されています。
(引用元:応用生態工学会サイト


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河口干潟でフィールドワーク中の小山 助教(画像上)、希少種のトビハゼ(左下)、および人工的に造成された塩性湿地(右下)

研究の概要

河口・沿岸域は陸域と海域の境界に位置し、干潟、塩性湿地、藻場などの様々な自然景観が見受けられます。我々は河口・沿岸域から多面的な自然の恵み(生態系サービス)を譲受している一方、人間活動を介して、これらの生態系に負のインパクトを与えてきました。私はこの河口・沿岸域の保全と再生を目的として、様々なフィールドワークを展開しました。希少生物の分布、生態、および生息環境などの知見を集積し、ドローンや環境DNAを活用した従来の調査の簡便化に関する研究、および人為的に造成した湿地環境の評価に関する研究などを行い、応用生態工学分野の発展に貢献しました。
これまでは主に魚類や節足動物を主に対象としてきましたが、近年では貝類や多毛類などにも焦点を当てて研究しています。


期待する効果

我々人類の多くは低平地で活動していることから、河口・沿岸域の生態系と密接に関わります。応用生態工学的視点から、河口・沿岸域の保全や再生に関する研究を発展させることは、我々人類と自然生態系の調和を目指す上で重要な課題です。これまでの取り組みが、その一助となり、ひいてはネイチャーポジティブなどの国際的な目標の達成への寄与が期待されます。


受賞者からひとこと

今回、応用生態工学分野として私の研究活動を奨励していただきましたが、水圏環境から自然の恵みを持続的に利用できる社会を目指すことは、水産学ひいては農学分野における重要なテーマの一つです。河口・沿岸域の現状、およびその保全と再生に少しでも興味を持っていただければ幸いです。


お問合せ先または詳細

小山 彰彦 助教
応用生態工学会サイト