【トピックス】松井 利郎 教授が、令和6年度日本栄養·食糧学会 学会賞を受賞されました!
松井教授が令和6年度日本栄養・食糧学会 学会賞を受賞しました。
受賞対象となった研究業績は「低分子ペプチドの吸収と生理機能に関する研究」です。
日本栄養・食糧学会 学会賞
公益社団法人日本栄養・食糧学会は、栄養科学ならびに食糧科学に関する学理および応用の研究についての発表、知識の交換、情報の提供を行う事により、栄養科学、食糧科学の進歩普及を図り、わが国における学術の発展と国民の健康増進に寄与することを目的とした学術研究団体です。
学会賞は栄養科学または食糧科学に関する基礎的あるいは応用的学問分野において顕著な業績のあった研究者に授与しています。
研究の概要
食べ物とは、生命活動を維持するためのエネルギー供給機能だけでなく、健康を維持する機能(生体調節機能あるいはホメオスタシス維持機能)を有していることが明らかとなっています。この観点から食科学研究を行い、これまでに食品タンパク質分解物であるペプチドに高血圧予防作用があることを明らかにし、特定保健用食品(トクホ)として認可を受けるに至っています。血圧低下作用を示すペプチドには十分な生体利用性があることを生体レベルで明らかにするとともに、その作用場が血管であり、血管抵抗性を改善していることを明らかにしています。
近年では、ペプチド摂取によるアルツハイマー型認知症の改善作用など、他の疾病に対する効果についても研究を進めています。
期待する効果
我が国の科学分野の凋落は多方面から指摘されていますが、食科学研究はこれまで世界を先導してきた分野のひとつです。今後この分野を加速度的に発展させるには、生体利用性(bioavailability)に基づき食機能研究を推進する概念が必要であり、これから(次世代)の食科学研究にとって重要な視点と考えます。これまでの取り組みがその一助になることが期待されます。
受賞者からひとこと
ペプチドの種類は無限大です。また、食べ物(食品成分)の組み合せも無限大です。これすなわち、食科学は無限大ということになります。夢と苦労の多い食科学研究に少しでも興味を持っていただければ幸いです。